「今は昔、証券やりたい放題💦」vol.1

飲み代を給料から払ったことなんて、一度もありません。 …なんて、偉そうに言えることではありませんが。💦

仕事終わりの経費請求は、誰もが真剣そのものでした。 なぜなら、1万円以内なら課長が「めくら判」を押してくれるから。 1万円を超えると支店長印が必要になり、チェックが厳しくなる。面倒は避けるのが鉄則です。 結果、合計金額「9,980円」といった絶妙な数字と、嘘八百の摘要欄が並ぶ伝票の出来上がり。毎月15〜20万円ほどは、これで賄っていました。

当然、それだけでは飲み代が足りません。 そこから先は、今の時代なら即逮捕必至の「実録・違法行為」の世界です。

大手生保の運用部が、朝イチで某銘柄を数十万株買う。そんな生々しい注文情報が筒抜けだった時代。 とはいえ、現物株でのインサイダー取引は、取引所のシステムですぐにバレてしまいます。 そこで目をつけたのが、その買いに連動して値上がりする「遠いところにある金融商品」でした。

「あった……ユーロ建てワラント債!」

これなら監視が緩く、手口も露見しにくい。 海外市場部(国際業務部)に、債券部分を切り離した「ワラント(新株予約権)」だけを400万円分ほど出してもらい、20%ほど値上がりしたところで売り抜ける。 先輩と山分けした利益80万円は、すべて飲み代の精算に消えていきました。

当時普及し始めたクレジットカードのキャッシング枠も、新入社員で「200万円×2枚」という破格の設定。それがフル稼働していた、そんな狂乱の時代の話です。